不育症と不妊のメンタルの要因

不妊に関するご相談の中には「妊娠はするんだけど、赤ちゃんが育たず出産に至らない」という不育症のご相談も増えています。

※不育症とは、妊娠してもそれが継続しない状態で、連続して2回以上流産した場合、不育症と診断されます。

不妊の根本原因には心理的に不完了な想いがあり、それらの想いを処置していくことで妊娠に適した身体になっていきます。不育症も同じで、不育症に悩まれているクライアントさんの心理的な背景を洗い出していくと、不完了な想いが現れてくることがあります。

ある不育症のクライアントさんのケース

ご相談者の年齢:30代後半(出産経験あり、お子さん1人)
ご相談内容:「2回連続で流産してしまい、不育症と診断された」

不育症に悩まれている上記のクライアントさんの事例をご紹介します。
セッションでは、不育症を引き起こしている、つまり妊娠を継続させていない背景にある想いや、幼少期の親御さんとの関係を洗い出していくことから始めました。すると、次のような想いが出てきました。

「私自身も小さい頃から、母親に厳しく育てられてきました。
特に勉強に関して母は厳しく、母は、『100点をとるのは当たり前、そうでなければ努力が足りない』という考え方の人でした。だから、どんなに頑張ってテストで良い点をとってもほめてもらった記憶がありません。
そして私も、自分の子どもにはしっかり教育を受けさせなければならない、という想いや『母親として、完璧でなければならない』という想いがありました」

「正直なところ、経済的には漠然とした不安があります。
今の経済状態だと、今いるこの子ひとりにも十分な教育を受けさせることができないかもしれない。子どもが2人になったらもっとお金がかかるし、育児ももっと大変になるかもしれないという想いもあります。でも、一人っ子はかわいそうだから、きょうだいを産んであげたいと思って・・・」

上記のクライアントさんの言葉には、不育症の原因となっていたある信じこみを見つけることができます。

「〜ねばならない」

私が注目したのは、「完璧でなければならない」という想いです。

私たちは、自分自身が親から教えられたこと、世間一般の常識から「〜ねばならない」という想いを持つようになります。この「〜ねばならない」が強い人は常識的な人、真面目な人、人格者といった評価を受け、美徳とされることも多いかもしれません。

しかし一方で、この「〜ねばならない」で自分を縛ってしまうと、本当の自分らしい生き方からどんどんズレていってしまいます。そして身体の面から言えば、「〜ねばならない」と考えることによってコルチゾールやノルアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌され、その影響で妊娠が継続しにくい状態になってしまいます。これが不育症の原因を引き起こしていると私は考えています。

不育症は西洋医学的に見ると、染色体異常や子宮形状異常、凝固因子異常(胎盤に血栓ができやすくなる)、などと言われますが、「では、そもそもどうして、そういった染色体異常、子宮形状異常、凝固因子異常をつくりだしていたのか?」という所に目を向けることが重要なのです。

このクライアントさんのケースでは、幼少期のお母様との体験によって「完璧でなければならない」という想いを持っていました。

この「完璧でなければならない」という想いを持つことそのものは悪いことではありませんが、不育症を改善して妊娠したい、という観点からすると、好ましくない想いではあります。そのため、ご本人の了承をえて、その信じこみのもととなった記憶を処置したり、様々な角度からの見方を取り入れることで、その信じこみを崩していく作業を行いました。

妊娠・出産と、自分の「生きる目的」を繋げていく

不妊や不育症に悩んでいると、「妊娠すること」「出産すること」が目的になってしまうことがあります。
私も不妊治療の経験がありますし、先が見えない苦しみの中にいると、つい、そうなってしまう気持ちもよくわかります。

しかし、人生全体という大きなくくりで見ると、妊娠や出産はひとつの過程に過ぎず、さらにその先に、子育てや仕事、社会との関わりを通じて表現していく「生きる目的」があります。
この「自分の生きる目的」という大きなテーマに気づいていくことが、不妊や不育症の根本原因を解消して、妊娠しやすい体に変えていくためにはとても重要なのです。

「自分の生きる目的」に気づき、その目的に合致した言動を行っていくと、セロトニンやアドレナリンなどの幸せホルモンが分泌されるようになります。すると身体がリラックスした状態になり、血液が全身に行き渡るようになり、妊娠を継続しやすい体の状態になっていくのです。

不妊や不育症とは、ある意味、「自分の生きる目的」に気づくためのメッセージでもあり、そのメッセージを受け取った時に、不妊や不育症が解消され、妊娠・出産へと身体が変化していくものだ。

多くのクライアントさんを見ていて、私はつくづく、そう感じています。