「あなたの年齢だと、自然妊娠は難しいですね」
「体外受精を行った場合、妊娠の確率はこれぐらいです」
不妊治療を続けていると、このような言葉を耳にすることがあります。不妊治療を続けても妊娠に結びつかないと、「私には無理なのかな・・・」という想いが出てくることもあるかもしれません。
もしもあなたが今、そんな状況で不安や落ち込みを感じているならば、少しだけお時間をとっていただき、この記事を読んでみてください。
年齢や確率などの数字よりも大切なこと
年齢や妊娠確率のデータといった数字以上に、妊娠に影響を与えているものがあります。それは「潜在意識(せんざいいしき)にどんな想いが隠れているか?」ということです。
潜在意識とは、自分で知覚できない意識の領域のことです。心臓を動かしたり食べたものを消化するなど、身体の内部で起きていることは、潜在意識が脳を動かし、司っています。
ホルモンバランスや内臓機能、体温調節などをを司るのも脳であり、潜在意識です。
不妊治療を続けても妊娠に至らない、年齢的に不妊治療をも卒業した方が良いのか迷っている・・・という方は、諦めるその前に、脳や潜在意識と不妊の関係を知ることが今後の分岐点になるかもしれません。
潜在意識の声に耳を傾けることで、不妊の原因がわかる
1,なぜ、脳や潜在意識が不妊を発生・継続させるのか
・体の不調は潜在意識に起因する
・「思考が現実化する」潜在意識のメカニズム
2,不妊を発生・継続させるメンタルの要因とは
・妊娠を望むメンタルに隠れているネガティブな背景
・潜在意識では「妊娠したくない」?
3,妊娠を実現する”脳の動かし方”がある?
・【重要】言葉の使い方を変えれば、脳の動かし方が変わる
・「出産した未来の記憶」を思い出すスケーリング・クエスチョン【PDFダウンロード】
さいごに〜統計(データ)にあなたの可能性を合わせる必要があるのでしょうか?
なぜ、脳や潜在意識が不妊を発生・継続させるのか
体の不調は潜在意識に起因する
重要なことなのでくりかえしになりますが、私たちの体に起きていることは、潜在意識と脳が司っています。不妊に限らず、体に起きる不調のほとんどは、潜在意識を探ることでその原因がわかります。
これは、私だけが主張している特別なことではありません。私が師事したメンタルトレーナーの梯谷幸司さんは、言葉と心理技術だけでガンなどの病気を完治させる専門家として、世界的に活躍されています。
昔から「病は気から」ということわざもあり、私たちの内面と体の状態が密接に関わっていることは経験的に多くの人が知っているのです。このことを証明するわかりやすい実験がありますので、ここで紹介しておきます。
被験者:漆(うるし)にアレルギーを持つ子ども達。
内容:
①片方の腕に、アレルギー反応を起こす漆を擦り付ける
②もう片方の腕に、漆に似た別の植物を擦り付ける
結果:ほとんどの子どもに、①で擦りつけた方の腕に発疹ができ、②で擦りつけた方の腕には発疹が出なかった。
解説:実際は、子ども達には秘密で、漆には逆のラベルが貼られていました。つまり、ほとんどの子どもが「アレルギーのある葉に触れた」と思っただけで発疹が出てしまったのです。
「思考が現実化する」潜在意識のメカニズム
ここで、潜在意識について少し詳しくご説明します。
人の意識全体のうち、自分で知覚できる表の意識(表層意識)は、全体の10%に満たないと言われています。そして残りの90%は、自分で知覚できない潜在意識(せんざいいしき)や、メタ無意識と呼ばれる領域が占めています。
「私たちの意識が現実を創っている」ことは、古くから多くの哲学者が主張し、また最近では量子物理学の世界でも科学的に証明されつつあります。意識にはそれほど大きな力があるのですが、その「意識の力」の大部分は潜在意識・メタ無意識なのです。

ここで、多くの人がこんな疑問に突き当たります。
「人の意識が現実を創るなら、どうして、私の現実は理想とかけ離れているんだろう?」
その答えは、「表の意識と、潜在意識が真逆の方向を向いている」からです。
意外に思えるかもしれませんが、人は「願いを叶えたい」という表の意識の背景に、潜在意識では「願いを叶えたくない」という想いを抱えていることがあります。このとき、潜在意識の現実化の力が勝ってしまうため、願いが叶わないのです。
不妊の場合であれば、表の意識では「妊娠したい」と思っていても、潜在意識レベルで妊娠を望んでいなかったり、妊娠に対して好ましくないメンタルの状態になっていることがあります。
2,不妊を発生・継続させるメンタルの要因とは
私はこれまで、不妊に悩む多くの方々(男性、女性含む)のカウンセリングを行ってきました。そして、不妊に悩まれている方には、特徴的なメンタルや潜在意識レベルの想いがあると感じています。逆にいえば、これらのメンタルや潜在意識レベルの想いを解消さえすれば、誰でも妊娠する可能性を持っているのだということもわかってきました。
ここでは、実際に不妊に悩まれているクライアントさんによく見られるメンタルの背景について解説したいと思います。
妊娠を望むメンタルに隠れているネガティブな背景
不妊治療は辛いし、お金もかかる。このまま続けても、本当に妊娠できるのか不安だ。
そんな方に、ひとつ質問です。あなたはなぜ、辛い思いをしてまで不妊治療を続けるのでしょうか?
人それぞれの答えがあると思います。そして、その答えを導き出した潜在意識にネガティブな想いが隠れている場合、不妊を発生、継続させる要因になることがあります。
例えばあなたは、こんな思いを持ってはいないでしょうか?
- 『結婚したら子どもを産むのは女性として当然のことだから』
- 『両親に早く孫の顔を見せて親孝行したいから』
- 『ひとりっ子じゃ可哀想だから』
- 『夫や自分のDNAを残したいから』
これらの答えは、「誰でも当然に思うことではないの?」と思うかもしれません。ところが、これらの理由の「背景にあるもの」が、不妊を継続させる要因となる場合があります。
妊娠を望む理由:『結婚したら子どもを産むのは女性として当然のことだから』
不妊を継続させる心理的背景:上記の理由には、子どもを埋めない女性には価値がない」という思いが隠れていることがあります。この場合、不妊治療を続ければ続けるほど「(今の)私は価値がない」という信じ込みが潜在意識レベルで強化されます。そして潜在意識は、今持っている信じ込みを維持するように脳を動かします。これは、人間の心身は本能的に変化を嫌うからです(恒常性)。
「私は価値がない」という信じ込みを維持できるように、脳は、精子を受け入れても受精しないように子宮に対して信号を送り、不妊を継続させます。
あなたは「不妊治療をやめた途端に妊娠した」という話を聞いたことはないでしょうか。これも潜在意識のメカニズムからすると、ある意味当たり前とも言える話です。逆説的ですが、不妊治療をやめたことによって「妊娠しなかったらどうしよう(私は価値がない人間だったらどうしよう)」という恐れを手放すことができ、結果的に妊娠できたということなのです。
「子どもがいても、いなくても、私は価値ある存在」「子どもがいても、いなくても、私の人生は素晴らしい」潜在意識の底からそう信じることができた時、脳は受精するための信号を送り出し、身体は妊娠のための準備を整えはじめます。
潜在意識では「妊娠したくない」?
「表の意識では妊娠を望んでいても、潜在意識では妊娠を望んでいない」というのも、不妊に悩まれている方によくある状態です。この心の状態はダブルバインド(二重拘束状態)と呼ばれ、不妊に限らず、物事がうまくいかない大きな要因となります。
これは例えるなら、アクセルとブレーキを同時に踏み込むようなものです。すると脳はどちらの方向に現実を動かせばいいのかがわからなくなり、フリーズしてしまうのです。
不妊に悩まれている方がダブルバインドに陥るケースとして、よくあるのが「妊娠の前後に避けたいことがある」ような場合です。これらの「避けたいこと」を解消することによって、脳は安心して妊娠に向けて身体を整えていくことができます。
ここでは2つ、不妊に悩まれている方によくある「妊娠の前後に避けたいこと」の例をあげます。
仕事で男性以上に認められたり、活躍する女性にとり葛藤となるのが「妊娠するとキャリアを手放さないといけない」という信じ込みです。この場合、「妊娠したい」と言う思いと「(仕事を続けたいから)妊娠したくない」という相反する思いがダブルバインドを引き起こします。
幼少期に母親との関係に未解決な感情がある人は「母親のようになりたくない」「母親から愛されなかった私は、良い親になれない。」という信じ込みを持っていることがあります。この場合、自分が出産して親になると母親と同じことをしてしまうのではないか、という恐れが生まれ、ダブルバインド状態となります。
『赤ちゃんが出来るまで定期的に性交渉しなければいけないのが辛い』
『自分に赤ちゃんをちゃんと育てられるか心配』
『子どもを育てるのに経済的な不安がある』など。
3,妊娠を実現する”脳の動かし方”を知りましょう
ここまで、不妊の状態を発生・継続させるメンタルや脳の仕組みを解説しました。これらの状態を解消すればスムーズに妊娠に向かいますが、メンタルや潜在意識について正しく理解しているカウンセラーでないと処置が難しい場合があります。
そこでここからは、潜在意識や脳の動きをゆるやかに変えていく言葉の使い方と、潜在意識に「妊娠・出産した未来」のイメージを届けるワークをご紹介します。
【重要】言葉の使い方を変えれば、脳の動かし方が変わる
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。 (マザー・テレサ)
私達の脳の動き方や潜在意識は、使う言葉によって変わります。マザー・テレサの言葉のように、思考や言葉が私達の「運命そのもの」を創っているのです。
今まで不妊に悩んでいた方は、不妊を継続させる言葉を使い、不妊を継続させる脳の動かし方をしているだけです。つまり、不妊をやめ、妊娠するための言葉に変え、脳の動かし方を変えていけば良いのです。
たとえば、不妊治療を続けている方の場合『赤ちゃんが欲しい』と口にしたり、考えたりすることが多いのではないでしょうか。実は、この言葉の使い方は願いを叶えない方向に作用してしまうので注意が必要です。この言葉にセットでついてくる”心理的な前提”が影響するからです。
「〜がほしい」という言葉には、「今、私はそうではない(持っていない)」という”前提”がセットでついてきます。脳は、言葉についている”前提”を実現するために働く性質があるため、「赤ちゃんが欲しい」と言えば言うほど、「私は赤ちゃんがいない」という現実を実現します。では、この「ほしい」という言葉をどう変えれば良いのでしょうか?
『赤ちゃんが欲しい』と言う言葉を、シンプルに次のように言い換えてください。
『私は赤ちゃんを産む予定があります。』
この言葉に置き換えることにより、脳内には赤ちゃんを産むイメージだけが存在する状態となります。すると脳はそのイメージを現実化させるために身体に信号を送り始めますので、スムーズに妊娠に向かい始めます。
「出産した未来の記憶」を思い出すスケーリング・クエスチョン
もうひとつ、プロのコーチ・カウンセラーが実際に使用しているスケーリング・クエスチョンのワークをご紹介します。このワークは「願いを叶えた未来の記憶を思い出す」ということを体感するためのワークです。
ワークに取り掛かる前に・・・未来の記憶とは?
潜在意識の特徴のひとつに、「時間の概念がない」ということがあります。これは言葉を変えると、過去も現在も未来も、潜在意識の中には「同時にいま、存在している」ということです。そして記憶というものにも「過去の記憶」があるのと同時に「未来の記憶」があります。
「未来の記憶」とは、私たちが通常、”願望”という形で持っているものです。私たちが「これがほしいな」「こうなったらいいな」という願いは全て、未来の記憶なのです。これはつまり、「記憶として持っているからこそ願望を抱く」のであり、人は実現できない望みは抱かないということでもあります。実現できない望みを抱くことは、脳にとっては不自然で苦痛な作業なのです。
あなたが「赤ちゃんを産みたい」と望んでいるならば、赤ちゃんを産んだ未来はすでに存在します。その望みと同時に「産めないかもしれない」という思いがあれば、「赤ちゃんを産まなかった未来」もパラレルに(並行して)存在しています。どちらの未来を選ぶかは、潜在意識下に持っているあなたの意図次第です。
では、「願いがかなった未来(妊娠・出産した未来)」を選ぶためにはどうすれば良いのでしょうか?その答えは、「どうやって、妊娠という現実が実現していったのだろう?」という未来の記憶を思い出すことです。この未来記憶を潜在意識に思い出させるために「スケーリング・クエスチョン」はとても有効です。
1、以下の各テーマについて、理想の状態(子どもが生まれてあなたが「やりたいことをやれている」状態)を10点として、現在を0点と設定する
①夫婦関係 ②子どもとの関係 ③その他
【PDF】ワークシート(体験版)はこちらからダウンロードできます
※カウンセリングの中でこのワークを行う場合は、さらに多岐にわたる項目について、プロのコーチの誘導により詳細なイメージを潜在意識に届けていきます。本ワークシートは脳の動かし方を変えるワークの体験版としてご使用ください。
2、 それぞれについて、1点のときはどんな状態、2点のときはどんな状態と具体的にイメージして書き出す
(妊娠周期や子どもの年齢があった方がイメージしやすければ、あわせて書き出してください)
さいごに〜統計(データ)にあなたの可能性を合わせる必要があるのでしょうか?
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。さいごに、潜在意識の力を活用して不妊をやめ、妊娠を実現するためにとても大切なことをお伝えしたいと思います。
冒頭にあげたような、「●歳になったら妊娠する確率が下がる」という統計のデータがあります。不妊治療を行うとき、多くの人がこの数字にとらわれてしまいがちになります。
でも、ここでよく考えてほしいです。そのデータは「単にその病院のデータでしかない」ということを。そのデータが、あなたに必ずしも当てはまると本当に言えるのでしょうか?そして、あなた自身の妊娠する可能性をそのデータにわざわざ合わせる必要性があるでしょうか?
データが意味することをそのまま受け取ってしまい、『あぁ、自分はこの程度の(少ない)妊娠率なんだ…。』と無意識のうちに受け入れてしまうと、脳はそれを現実化させます。データを見て『たったこの程度しか妊娠の可能性がないんだ~。』と落胆する人もいれば、 『これはこの病院のデータでしかない。自分の身体は自分がコントロールする。』と、主体的に自分の身体や心と向き合う人もいるでしょう。
これは、どちらが良い悪いということはありません。ただ、『あなたは、どちらの意識でいたいですか?』という単なる選択です。そして、妊娠に関することだけでなく、パートナーや子ども、親などとの関係においても、同様に当てはめて考えることもできます。
不妊という状態は、あなたの人生そのものに重要な気づきをくれるギフトです。そのギフトに気づいた時が、あなたが本当の意味で妊娠・出産への第一歩を踏み出す時になるのかもしれません。